ベトナムは、アジアにおける低コストで高品質なソフトウェアの成長のための魅力的な目的地として急速に浮上している。
ベトナムには、若くて優秀な労働力が豊富に存在し、他のITアウトソーシング企業と比較して労働コストが最も低く、安全で安定した政府環境が整っているという利点がある。
米国が中国との貿易戦争やインドへの特恵関税の廃止を意図していることから、ベトナムはBPOにとって魅力的な代替国となっている。
ICT分野の中でも、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、IT産業の中でも特に成長が期待される分野である。
成長する人材
ベトナムには、若くてダイナミックに成長している労働力があり、中央値は30.5歳で、中国の中央値37.4歳に比べて比較的若い数値となっている。その為、最新のIT教育を受けられる若い世代が多くいる。
ベトナム経済新聞によると、ベトナムの識字率は現在96%で、同国の大学卒業生の80%が理系の学位を取得している。このように、教育熱心な人口が増えているベトナムは、科学技術に関する高いリテラシーを持っているため、技術プロジェクトのアウトソーシングに最適な国といえる。
さらに、ベトナムの首都であるハノイは、より深い技術的専門知識と、長期的な投資のための安定性を提供している。また、ハノイには大使館や政府機関があり、ベトナムの他の都市にはない外国との交流やパートナーシップの可能性を秘めている。
さらに、ハノイには数百の科学研究機関と50以上の大学があり、主に技術に焦点を当てた教育の中心地となっており、ここには国内最大の技術系大学であるハノイ工科大学がある。
活気あるデジタル分野
ベトナムには活気あるスタートアップ環境がある。トピカ・ファウンダー・インスティテュートによると、2018年、現地のスタートアップ企業は、2017年の3倍となる8億8,900万米ドルの資金を獲得した。
ベトナムのスタートアップ企業の中でも、テクノロジーとデジタル(FinTech、E-commerce & Travel Tech)をベースにした企業が大半を占めている。
デジタルエポックがすべての世代に大きな影響を与えていることから、若者がテクノロジーや関連分野に才能を投資し、スキルを磨くことに拍車をかけるために、ますます多くの学校やアカデミーが開設されている。
ベトナムのIT教育が量的にも質的にも急速に進歩していることは、今後、ベトナムのアウトソーシング企業に大量のソフトウェア開発者を供給することに貢献している。
仕事への姿勢
ベトナムの従業員は、勤勉で優秀であるという評価を受けており、この国のイメージが海外のコラボレーションの目に映ることがある。農業国であったベトナムは、4.0時代の進化に向けて徐々に統合を進めている。
ベトナムの特徴は、離職率の低さにある。インドなど他の国では10%以上の離職率があるのに対し、ベトナムの企業のIT関連の離職率は5%以下というのが一般的だ。人々は自分の会社に忠誠を誓う傾向があり、ベトナム人と一緒に働けば、大きな家族の一員になることができる。これが、ベトナム環境でのアウトソーシングの違いであり、重要なメリットである。
競争力のあるコスト
イノテック社によると、ベトナムのITアウトソーシングやビジネスプロセスにかかる人件費は、インドに比べて約50%も低いそうだ。オフショアのソフトウェア開発者を雇う場合の料金は、1時間あたり10ドルから25ドル。インドや中国などの他のアジア諸国では、同じ範囲の仕事でも1時間あたり18ドルから50ドルの支払いが求められる。
また、オペレーションコストもインドの3分の1程度で済むと言われている。
以上のことから、ベトナムの労働力の発展に、国際的なパートナーは大きな期待を寄せることができるだろう。
最後に
ベトナムは、ソフトウェア・ITのアウトソーシングの歴史の中でマイルストーンをマークした。絶え間ない学習と強化により、ベトナムの企業は、世界のアウトソーシング技術ソリューションの観点から理想的なオプションであることを証明している。
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